第110回研究会「スウェーデンにおける集合住宅団地の変容と再生-ストックホルム・テンスタ地区を事例として-」のご案内

福祉国家としてよく知られる北欧スウェーデンですが、戦後日本とほぼ同時期に経済成長・都市化を経験し、大都市の近郊に多くの集合住宅団地が建設されました。当時、こうした団地の多くは公的賃貸住宅で占められており、幅広い所得階層の人々が共に暮す「福祉国家スウェーデン」を象徴する生活の場でした。しかしながら現在、1990年代以降の新自由主義を重視した政策の影響により社会の格差化が進み、郊外の集合住宅団地では、移民の集住、教育格差や失業、高齢者の集住、貧困などの問題が出現しています。
今回の研究会では、そのような集合住宅団地のひとつ、ストックホルム北西部の「テンスタ」において、様々な活動を通じて団地の再生活動に関与した、スウェーデン王立工科大学のStenberg氏をお招きし、再生プログラムの内容や地域住民の活動への参加状況、さらには、活動の結果どのような変容が地域にもたらされたのかという点をお話いただきます。その後、団地再生などの環境デザインプロジェクトの社会的効果や市民の生活への影響について、参加者の皆様と議論していきたいと考えております。
また、本研究会は、学部生・大学院生の皆さんの参加を積極的に求めています。後半の質疑へぜひ参加し、今後の世界のあり方、環境デザインの果たす役割などについて、Stenberg氏を中心とした現役の研究者と共に考える機会としていきたいと思います。


□日時:2016年11月4日(金) 17:30〜20:00

□場所:東京大学教養学部(駒場I)キャンパス15号館4階409号室
(東京都目黒区駒場3-8-1)

□参加費:無料

□プログラム

  • 17:30~18:00:趣旨および背景説明
    「スウェーデンにおける居住格差の現状と人々の生活への影響」
    司会:水村容子(東洋大学)
  • 18:00~19:00:講演
    「ストックホルムにおける集合住宅団地の変容と再生(仮題)」
    Erik Stenberg(スウェーデン王立工科大学建築学科)
  • 19:00~19:10:休憩
  • 19:10~20:00:質疑討論および閉会

※本研究会は日本建築学会環境行動研究小委員会との共同開催としての位置付けとなります。
※適宜、必要に応じて通訳を行います。


参加申込み

10月27日(金)夕方5時までに、以下よりお申し込み下さい(受付は終了しました)。