2020年度学会賞

島田貴仁(科学警察研究所)「犯罪予防の社会心理学」(ナカニシヤ出版、2020)

受賞理由:「犯罪予防」という社会にとって重要な領域を、これまでの理論や動向をおさえつつ、現代日本の地域社会を対象とした綿密な調査研究によって確立した著書である。犯罪学と社会心理学の理論を統合した点は独創的であり、研究の手法も、個々のフィールドの課題の問いに応じた方法と手続きが適切に用いられており、優れた研究成果をあげている。研究機関と行政機関の連携による貴重なデータ・分析結果も含まれ、都市・地区の問題を解決するためのデータに基づいた重要な示唆や方向性が提示されている点で、人間・環境学の応用として大きな社会的貢献が期待できる研究である。