第127回研究会「屋内の緑化デザインの特性とそこに関わる研究者らの役割」のご案内

かつてRoger S. Ulrich(1984)が、病床から見える緑の景色が手術後の回復に影響を与える可能性があることを指摘してから約40年が経過した。近年では、技術の進展によって、植物や緑化・木質化要素を取り入れて屋内をデザインしていく技法(緑化デザイン)も多様化し、デジタル森林浴のようにデジタル技術を用いた演出方法なども顕れた。現在、オフィスや商業施設、病院、自宅等において、様々な緑化・木質化要素を取り入れた空間の創出が進められている。
また近年、緑化デザインの一技法として、バイオフィリックデザイン(BD)の考え方が着目されている。BDとは直接的および間接的な自然と空間の条件等を活用して、日常生活を営む場所と自然がつながっていて欲しいという私たちの欲求を満たすよう空間を意匠する技法である。BDにより、屋内にいても自然と触れ合う機会が担保されることで、居住者・利用者の幸福度、生産性、創造性が向上することが指摘(Zhong,et al, 2022)されており、快適で健康な日常生活に繋がる緑化デザインの技法として、主に建築やオフィスデザインの領域にて社会実装が進んでいる。
一方で、BDを含む緑化デザインには、環境として成立した場合、万人に受け入れやすいといった「高受容性」や、多様な目的に対応が可能といった「多義性」(例えば:心身の回復やリラックスが目的、教育的利用が目的、生産性の向上が目的等)を具備しているといった指摘があるが、これは緑化デザインの所与の性質としてそのまま受け入れてよいのだろうか。また、空間の創出や維持管理の上で特有の課題や問題もあるのではないだろうか。さらには、BDは建設・建築業界の主導にて実装が進められているように見えるが、エビデンスの取得・確認などはなされているのだろうか。またその点への研究者の関わりは十分なのだろうか。これらの点について、今まさに専門家・実務家の間で議論を共有しておく時節のように思われる。
そこで本研究会では、屋内緑化および木質化に関わる研究者や実務家とともに、緑化デザインの「高受容性」・「多義性」について改めて議論するとともに、空間の創出、維持管理における課題について明らかにする。また、研究者・実務家はBDや緑化デザインの社会実装の潮流に対してどのように関わってゆけばよいのか等についても議論を深めたい。

■引用文献
Ulrich RS. View through a window may influence recovery from surgery. Science. 1984 Apr 27;224(4647):420-1. doi: 10.1126/science.6143402. PMID: 6143402.
Zhong, W., Schröder, T., & Bekkering, J. (2022). Biophilic design in architecture and its contributions to health, well-being, and sustainability: A critical review. Frontiers of Architectural Research, 11(1), 114-141.

■日時:2024年3月27日(水)14時30分~17時00分

■会場・定員:ハイブリッド開催
□現地参加:定員10名、先着順、Peatix申し込み限定、会員・学生(修士課程・博士前期課程まで)限定
□Zoom参加:50名程度

・現地:TOKIWA BRIDGE 地下2階 TOKIWA PARK by uralaa
東京都千代田区大手町二丁目7番1号
https://uralaa.com/park/tokiwa/

・Zoom:申込者したメールアドレスにIDをお知らせします.

■プログラム
□趣旨説明:高山 範理(森林総合研究所・チーム長(森林空間利用推進担当))
□話題提供:
・司会:大塚啓太(森林総合研究所・研究員)
・高山 範理「屋内空間における緑化デザインの導入動向」
・辻木 勇二(フォレストデジタル株式会社・代表取締役CEO)
「森に包まれるテクノロジーで人々を幸せにする」
・畑 倫子(文京学院大学・准教授)
「身近な自然環境」
・本山 友衣(森林総合研究所・主任研究員)
「屋内空間における木質化の効果-POEとウェブ調査の事例から-」

□デジタル森林浴の体験(現地参加の人のみ)
□ディスカッション:上掲者(4名)+司会者+参加者
□パネルディスカッション司会:芝田 征司(相模女子大学・教授)

■参加費:会員・学生 無料、一般(非会員)1,000円

■参加方法:期日が近くなりましたら当日のzoom IDや参加方法の詳細を連絡しますので確実に連絡が取れるメールアドレスを申込時にご記入ください。

■申込方法:Peatixサイト(https://mera.peatix.com)で参加登録フォームに必要事項を入力してください。Peatixの使用をご希望しない場合、事務局宛にメールにて参加申し込みをしてください。参加登録時に参加費を支払う必要があります。

第127回研究会申し込みサイト:https://peatix.com/event/3837539/view
Peatixサイトの締め切り:3月27日(水)12時
メール申し込み締め切り:3月25日(月)12時


※参加申し込み及び参加費の支払いについて

  • 事務局負担軽減及び参加費の管理を行うためPeatixサイト(https://mera.peatix.com)を利用します。そのため下記の点にご協力をお願い申し上げます。
  • Peatixの使用をご希望しない場合、メール (mera@arch.eng.osaka-u.ac.jp)にて参加申し込みをしてください。お申し込みをいただいた後、振り込み先をお伝えします。
  • Peatixについては下記のアドレスを参照ください。
    参加者ガイド:https://help-attendee.peatix.com/ja-JP/support/solutions/articles/44001821734-【初めてご利用される参加者様向け】peatixご利用の流れ
  • 参加申し込みをする際に、Peatixアカウントを作成するか、Twitter/Facebook/Google/Appleアカウントでログインしてください。お申し込み完了後、アカウントにチケットが発行されます。
  • 参加費の支払いはクレジットカード・コンビニ/ATM払い・Paypalからお選びください。
  • お申し込み後の返金は一切いたしかねますのであらかじめご了承ください。参加者側のPC・タブレットの障害や、参加者側のインターネット回線の障害により接続不良が生じた場合でも、返金はいたしませんのでご了承ください